「大名古屋暗渠録」始動

 

ホームページのタイトルは「暗渠(ankyo)」で行くことにした。タイトルは「大名古屋暗渠録」、そしてドメインは「ankyo.nagoya」だ。

 

"広義の意味での暗渠"に相当するような言葉を探していたけど、なかなか見つかりそうにない。先日、暗渠マニアックスの新刊に「水路上」という言葉を見つけて、お!こりゃ新しい意味合いの言葉だな、と思ったが、僕は路上に注目している訳では無い。新しい言葉を生み出す力というのは凄く難しいことだと思うけど、ホームページのタイトルは本と違って文字だけなので、何のことかが伝わらないというリスクもある。

 

"広義の意味での暗渠"では、純粋な暗渠の他に、埋め立てられた水路の跡をも「暗渠」と呼んでいる。僕はこの使い方には抵抗があるから、暗渠は暗渠、川跡は川跡としっかり区別したいと思っている。ホームページでは、暗渠もあれば川跡もあり、つまり内容的には"広義の意味での暗渠"を扱っているわけだ。あとは開渠も。中身は決して暗渠だけじゃないのに、名前に暗渠と冠してしまっていいだろうか。そう思って悩んでいた。

でも、考えてみれば、名古屋にある暗渠(これは純粋な意味で)について最も詳しいのはこのホームページになると思う。今はまだそこまで言い切れないが、でも今後必ずそうなると信じてる。

 

もちろん、中には埋め立てられた「川跡」も扱っているし、「開渠」もある。そこはしっかり区別して"広義の意味での暗渠"という使い方は一切排除する。しかしその上で、ホームページの代表的な内容を挙げて「暗渠」と冠するのは、別に間違ったことではない気がする。「ankyo-kawaato.nagoya」みたいになるのも正直ダサい。

 

「お好み焼き」と書かれた暖簾の下で駄菓子を売っていてもいいし、ラーメン屋が炒飯を出していても全然いい。味の素は味の素以外にも色々作っている。それと同じことだ。

 

僕のホームページのタイトルにある「暗渠」は、"狭義の意味での暗渠"である。ただ純粋に暗渠のことを言っている。あくまで内容のひとつ。それでいいような気がしてきた。

あ、でも、普段"広義の意味での暗渠"を使っている人にとっては、そういう捉え方をしてもらっても、それはそれで良いかもしれない。つまり内容的にはそれで合ってるからね。

 

サブタイトルを付けれたらより分かりやすいだろう。トップページには「名古屋の暗渠・川跡を往く」という名前を付けておいた。検索したときやリンクを張ったとき、「大名古屋暗渠録」とともに表示されるようになっている。

 

 

元々このサイトは2018年に開設したもので、公開こそしてこなかったものの、長いあいだ更新を続けてきた。開設当初から、このサイトは「名古屋暗渠逍遥」という名前だった。最初名付けたときも、少し考えてはみたもののあまり良い案が思い浮かばず、とりあえずこれで、という感じだったと記憶している。「逍遥」という言葉は「あちこちをぶらぶら歩くこと。散歩。そぞろ歩き。」という意味で、つまり散歩である。

 

本田氏の「東京暗渠散歩」という本や、暗渠マニアックス吉村氏のブログ「暗渠さんぽ」と構造は同じである。「名古屋暗渠逍遥」という名前が、ほとんどそうしたところから発想されていることは想像に難くない。たしかに逍遥という言葉は普段あまり耳にしないので、そういう意味では独自性があるようにも見えるが、所詮、散歩を逍遥に置き換えただけのことで何の革新性もない。

そもそも「東京スリバチ地形散歩」だとか、「名古屋地図さんぽ」だとか、この界隈のタイトルはやたらと散歩したがる。逍遥とはつまり散歩であるから、いわゆるベタな名前にしたくないという意識はあった。

 

加えて、僕は暗渠を見に行くとき自転車を使うことが多い。つまりそもそも自らが歩いていないのだから、「逍遥」なんて付けたらば嘘になってしまう。そういうこともあって、いつかこのサイトを公開するときは、「名古屋暗渠逍遥」に代わる新たな名前を考えようと常々思っていた。

 

 

だが3年も「名古屋暗渠逍遥」という名前を見ていると、ついそれに慣れてしまって、なかなかしっくりくる案が出てこない。これはこまった。結局思いついたのは以下のような案だ。

 

名古屋暗渠逍遥

有亡渠録

名古屋圏暗渠ノート

暗渠ノート@名古屋

名古屋暗渠ガイド

名古屋圏暗渠案内

名古屋圏暗渠(抄)

必見!名古屋暗渠

名古屋暗渠録

大名古屋暗渠探録

名古屋圏の暗渠な世界

名古屋の暗渠・川跡を往く

 

「抄」は意味的にずれるのでボツとなり、「名古屋圏の暗渠な世界」など平仮名が入るとなんとなくまとまりがないので、漢字だけを使うことに決めた。「録」は新鮮味があり、~録や~探録といった形でノミネート。「名古屋暗渠ガイド」という名前は、同じ名古屋が舞台の「名古屋神社ガイド」に追随するもの。ちなみに名古屋神社ガイドはものすごいサイトなので、全名古屋市民はこれを見るべきである。

 

検討の結果、一度は「名古屋暗渠案内」に決まりかけたものの、案内というのは果たしてこのサイトの趣旨と合っているか微妙な気がしたので、最終的には「大名古屋暗渠録」で落ち着いた。名古屋ではなく「大名古屋」としたのは、まあなんとなく好きだからというのがほとんどではあるが、このサイトの対象とする範囲が、名古屋市のみならずその周辺地域までもを内包していることを意味している、ということにしておこう。

 

ちなみにサブタイトルの候補には「〜見えない水流を追って〜」が挙がっていたが、タイトル候補だった「名古屋の暗渠・川跡を往く」が天下りしてきた。

 

 

以上のような経緯を経て「大名古屋暗渠録」として出発する運びとなった当サイト。ここまで読んでくださった方はごく少数だとは思いますが、以後よろしくお願い申し上げます。

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コメント: 1
  • #1

    やおもておいみ (金曜日, 21 1月 2022 23:59)

    まるはちあんきょ!